フジコ・ヘミングさんのコンサート
行って来た。
ラスト一枚のチケットを購入出来たのよ。
他のプレイガイドでは買えたのかもだけど。
たまたま一か月くらい前、夜中に多嘉良と
TV観てて(それが、まず珍しい状況)
コンサートのCMが流れて。
私がネット予約した時には、多嘉良や娘の分が
買えず。ラスイチだった。
A席で、まあまあ良い席。
S席(最もステージに近い)は残念なことに、売り切れだった。
P席(ステージから一番遠い)も売り切れ。
私の席からは、あまりピアノの手元が見えないけど
ステージには、ほどほどに近い。
フジコさんのピアノを、一度生で聴きたいと
思っていたのが、24才の時。
14年越しに叶った。
生きているうちに、行けて本当に良かった。
前半にフジコさん、現れず。
しまった、リサイタルではなかったー。
管弦楽団の方々や、指揮のかたが素晴らしいのはわかるのだけど、
物凄く勉強されて、修業されてステージに
立っていらっしゃるのに、私と来たら、
ウトウト…
3階の席だったので、階段があり、
それがめちゃくちゃつらく、ゼェハァしたので
疲れてしまったのよ。
多嘉良が、せっかく入口に車をつけてくれたのに、迷うし。
隣接した建物の入口だったから、
他の車も少なく、わかりやすいのに…
開演前、喉が渇いてしまい、
飲み物を探しに行ったら
売ってる所が、超遠くて。
しかも、ようやく自販機に辿り着いたら
1万円札しか持ってなくてさ。
電子マネーの使いかた、よくわからんし…
しかも、Edyとか対応してないし。
仕方ないので、お手洗いの洗面所の水で
口をゆすいで、我慢。
そしてまた、階段。ゼェゼェ。
そんなこんなで、疲れていたのさ。
けっこう動悸がひどく、頓服薬を水なしで飲んだ。
多嘉良がいたら、
飲み物をすぐ買って来てくれるのに…
あれ、もしかしてエレベーターあったか。
何にせよ、病気や障害のある人に
優しくないよな。
そういえば、この会場、昔、トイレで
倒れた場所だわ。
その時は、多嘉良と来ていて
あっさり運ばれて監禁されたのだよ。
(私小説参照)
後半になり、ようやくフジコさん登場。
前半は前戯か‼︎
もう、現れた瞬間に私は十字を切った。
痩せていらっしゃったし、杖をつき、
指揮者に伴われて、しずしず、ゆっくりと
ステージの中央に。
しばらく、指を触ったりなさっていた。
最初の一音で、涙がこぼれた。
お具合が良くないみたい…
こんなに透き通る音、初めて。
神様が弾いていらっしゃる。
正確には、神様を降ろして弾いていらっしゃる。
フジコさんの魂の崇高さに、共鳴した神様方。
何人ついていらっしゃるのか、視えないくらいに、神様の森。神様の巨大な光。
私のマスクの中身は、鼻水と涙で大洪水。
鼻水音を立てるわけにゃいかないので、
管弦楽団の音がデッカイ時に、便乗して
鼻をすする。
いくら私がハナちゃんでも、ハナ水ブービーに
なることは、あまりない。
管弦楽団と弾き終わり、フジコさん、
ステージに一人になってから、
「一昨日から手も足も痺れていて、
弾けるかわからないけれど
ラ・カンパネラとノクターンを弾きます」
と、力強くおっしゃる。
ノクターンは、アンコール曲として。
ラ・カンパネラは激しい曲だけど、フジコさんの代名詞なので
ハンカチをぎゅっと握り締めて、聴く。
こんな、綺麗なカンパネラがあるかしら…
……
天の音。
天空の音。
天国の音。
神様の世界の音。
号泣して、聴き入る。
なんでみんな、平気なの?
私は最初から、というかフジコさんが登場してから、鳥肌が止まらない。
涙が止まらない。
カンパネラの終盤は、体の震えが激しくなり、
倒れるかと思った。
なんで他の人は、平気なんだ?
涙をぬぐってるくらいの人は、
少しいるけど。
カンパネラの最中に、ずっと光の十字架が
視えていた。
ノクターンは、優しくて心に沁み入るような、
小さな雨音のような。
ああ、聴けて良かった…
多嘉良と聴きたかったな。
娘は前半で退屈しただろうし、
会場が暑く、苦痛だっただろうから
仕方ない。まだ、連れて来るには早いな。
フジコさんが、お元気で
地方に来てくださる機会に、感謝した。
これからも、楽しく弾けるように…
お体がつらいだろうなと思う。
飛行機に乗るだけでも、体調を演奏会に
合わせるのも。
でも、人人に望まれて
神様に望まれて、弾いていらっしゃる。
動物が好きで、ファッションが好きで、
インテリアが好きで、絵が好きなフジコさん。
幸せに過ごされますように。
私も、絵をたくさん描こうと思った。
生きようと思った。
多嘉良の車に乗るまでの、会場の帰りの小道。
おまけ。
今日、描いた絵。
タイトル『赤ちゃんの天使が降ってくる』
今日は、教会後にコンサートに備えて
ずっと寝ていた日。
フジコさんに会えて、
素晴らしい日。