華々の愛の結晶の日々

飼い猫の憂鬱と幸福

2日目の東京でのこと 水鏡の心で

ずっと生きようと、この小さな旅行の前に思っていた。

 

過去に没入しすぎない。
未來を憂いはしない。
現在を、透き通る心でだけ、観る。

 

DID治療中のかた、愛実(あいみ)さん。
お名前は本名で、私の記事にだけ
残りたい、この世に、記事で残りたいって
言ってくださった。

 

やっぱり、人に会うこと
しかも初対面 は
心に負担だったようで、
交代ではないんだけど

私たちに会って
赤ちゃん返りの状態になってしまい、…

 


多嘉良、ふつう。

 

娘、私が幼児退行するのに慣れてるので、
ふつう。

 

娘は大人っぽいというか、
お姉さん気質があり(一人っ子なのに)

「一緒に遊ぼうよ」と、抱っこしていた
ぬいぐるみを差し出した。

 

その瞬間、なんか……

愛実さんは、私と
同じような思いをしたんだと
今さら改めて思っちゃって、


玄関(まだ玄関)で
座り込み、泣きだす化け猫。


うーん。
だいたいわかっていたけれど
しょっぱなから、めっちゃくちゃ。

 

多嘉良、苦笑い。

 

愛実さんの旦那さん、苦笑い。


愛実さんが、会っている間に
大人の状態に戻ることはなかったのだけど、
私の手を離さないので、

彼女が覚えていないこと
(他の人格が任う記憶)
を感じる。


お断りなく読んだらいけないし、
読もうとしてないんだけど
その、他人格(接したこと、なし)が
話そうとしてる。


何で出てこないんだろ…
と思ってしまい、その人がまだ、私というより
多嘉良を警戒していると、わかる。

 


多嘉良の見かけは
怖いと思われるか、優しそうと思われるか、
どっちか。


ああやっぱり、危険までいかないけど
けっこうきつい、私の精神のコントロールが。


愛実さんとは、会いたかったから
会えて嬉しいし、
もう、会えない。
ということが、お互いにわかってる。

 

 

何で、人は…

死ぬほど苦しい目に遭っても生きていかないと
いけないの

 

と、昔、未熟だった私が思ったことを
思う。

 

誰かの為に役立つ為だ

ということ。

 

愛を知る為だ

ということ。

 

愛の価値の凄さを、苦しみの中から掴んで、
知ったんだから
ねえ、
生きなきゃ。

 

ね。愛実さんも。
だって、こんなに旦那さんに想われてる。

 

旦那様の想いだけど、強く、ひとつだけの
想いで

彼女を守る為に生きてる、

だけだった。

 

多嘉良と同じだった。

 

それは、愛実さんに依存するということかも
しれない。

彼女の病気に、依存するってこと。

 

みーさんが私の病気に、のめり込んで
みーさんの苦しみを、忘れようとしたみたいに。

 

だけど、それの何が、悪いんだろう。

ある意味で、自分の人生から逃げているんだと
旦那さんは話してくれた。

 

愛実さんが全てだから、
自分の人生を生きていないけど、それでいい
って。

 

多嘉良が、それこそが、***さんの人生
道を逸れていない

すごく優しく言った。
すごく、優しく。
すごく優しい声、言いかたで。

 

バーっと泣き出した旦那さん。
子供のような表情。
見て、私も泣く。

 

娘が、ティッシュを(人んちの)
持ってきてくれる。

 

多嘉良って、人を泣かせる。
いろんな意味で。

 

ありがとうの日。
愛実さんと会った日。

 


○この文の掲載は、ご夫婦に許可を頂きました。